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2019年12月14日
照明の光熱費は家全体からみるとどのぐらいの割合を占めていると思いますか?
少し前までは全体の20%が照明の光熱費でした。現在は消費電力の少ないLEDの登場で全体の5%に抑えられていてかなり少なくなってきています。
LEDの長所は消費電力のみならず器具を小型できるメリットもあります。形状の利点をいかし店舗などの照明計画を住宅に取り込むことも多くなってきました。しかし住宅においては家族の過ごし方によっても使い方が異なり、特にリビングにおいては静と動の光のバランスが求められます。
特に吹き抜け空間の照明計画は通常と異なりいくつかのポイントを抑えることが大切です。
(空間の照度)
天井高CH5000の場合 床面の照度は 25ℓX
天井高CH2500の場合 床面の照度は100ℓX
天井が高くなると床の照度は約4分の1となります
照明器具を集光性タイプを使用することで床付近の光は確保できますが、
壁に光がまわらないと明るさを確保することができません。
『全体の空間の光』と『床面の光』のバランスが大切になります。
(器具位置)
高い天井にダウンライトを使用する場合がありますがLEDが20年持続しても器具が先に壊れる可能性があります。
内部足場が必要になると費用面がかかりデメリットとなります。
2階の廊下などを利用し取り替え可能位置に照明器具を設けるようにします。
大きな壁を利用することでスッキリと印象的な空間にすることができます
(小さな吹き抜け)
面の照明より点の照明でスッキリ仕上げる。
小さな吹き抜けに大きな面の器具をとりつけると余白がなくなり
狭さを強調することになります。
(空中梁がある空間)
できる限り梁の影ができないようにするため、梁から離れた壁面をしっかり照らし明るさを設けます。
また梁上などを利用し空間の上部を照らすことで梁の影に影響は出ない空間を作ります。
梁の中央にダウンライトを設けると影になりやすいため、できる限り使わないようにします。
(吹き抜け器具種類)
□間接照明(建築計画と同時に考える)
□ブラケット
面照明
点照明
□ダウンライト
拡散型
集光型
ユニバーサル型
□ペンダント照明
(ダイニング照明として使用する場合)
通常と同じ床から1500~1600の高さ
器具の特性と向きにも注意します。
(複数取り付ける場合)
器具の取り付感覚は少し狭く取り付け、照明器具一つ分をあけるぐらいを目安に計画します。
必ず展開図と平面図で確認します。
□梁取り付け照明
(照明予算)
吹き抜けの照明計画は予算オーバーになりがちですが、1階部分はダウンライトでしっかり床面を照らし
2階部分はスポットライトやブラケット照明を使い壁や天井に照度を確保することで比較的予算を抑えることができます。
吹き抜けの照明計画は壁面の反射率が影響します。例えば白色の壁は反射率80%で部屋全体が明るくなる一方
黒色の壁では反射率が5%と光が広がりません。まわりの環境や空間の高さに配慮し照明器具を選択するようにしましょう。
また調光器具を取り付け、光のコントロールできるようにしておくとフレキシブルに対応することができます。
『全体照明』と『床面の照明』のバランスを考えながら快適で心地良い空間を作りましょう!