「ビルダーズ.com」は家づくりを進める時の疑問を解決するポータルサイトです。
2019年9月3日
壁紙はどうやって決めていますか?
壁紙の種類はたくさんあるのですがそのほとんどを知らずに選択しているのが現状です。
日本の壁紙の流れは戦前と戦後で大きく変化していきました。戦前は輸入品が主流でしたが戦後からは鳥の子・加工紙に移行されていきます。
ある時、建築士が麻を壁に張ったことから評判になり布壁紙が流行していったそうです。その後、技術の進歩によりビニール壁紙が主流になっていきました。
そして今では日本の壁紙の8割がビニール壁紙のシェアを占めています。
現代は機能にすぐれたものや健康、環境に配慮したものなど細分化され多くの種類を選択できるようになってきています。
壁紙に関することをいろいろな角度からご紹介したいと思います。
□建築基準法の内装制限
住宅にかかわる主な基準法は高層マンションなどの耐火構造の共同住宅の場合で地上からの高さ31m超える部分にあたる壁、
天井を難燃材料とする。又木造2階建てで1階に調理室等火を使う設備を設けた場合は、壁、天井を準不燃に仕上げる。など建物の用途などによって決められています。
壁紙の防火性能は下地材との組み合わせによって認定されます。(不燃材料、準不燃材料、難燃材料など)
□壁紙の種類
紙系
繊維系
塩化ビニール系
プラスチック系
無機質系
自然素材などの種類があり、それらの材料から機能壁紙が作られています。
機能壁紙の一例
掃除に特化した壁紙・・・汚れ防止又は汚れが取れやすい。
消臭壁紙・・・タバコや生活臭を消臭する。
長持ちする壁紙・・・ひび割れを軽減、耐久性がある。
健康壁紙・・・通気性がよく心地よい空気環境をつくる。
環境壁紙・・・自然素材などで室内環境を整える。
□テクスチャー
メインの壁紙は織物調・石張り調・塗調を使うことが多く、個室はメインと同じものを使用する場合や用途によっても異なります。
同じテクスチャーであっても壁紙の厚みや凹凸などの模様の陰影により印象が違って見えます。
□最近の傾向
白系又はグレー系の薄い色合いを基調としアクセント壁紙を使いデザインする傾向にあります。
アクセントの種類は壁紙以外にも板張りやタイルなどの異素材を使用し、店舗の要素などを取り入れたものも多くなってきています
□色の効果
色彩のバランスは家全体の雰囲気を大きく作用し、心理的に働きかけます。
選択する色によっては心を落ち着かすことも集中できる空間もつくることができるのです。
ベース色になる白色は青系の白と黄色系の白にわけられ、住まいの空間には黄色系の白を使った方が落ちついた居心地になります。
寝室は色のトーンを落とし睡眠モードに切り替えることでリラックス効果を発揮します。
□仕上がり
壁紙の仕上がりは下地材とのセットで完成されます。あまり薄い材料や凹凸のないものを選択すると下地材の影響を受けてしまいます。やわらかく凸凹しているものほど施工しやすいといわれていますがスッキリとした雰囲気にはなりにくく、とてもバランスが難しいため専門家にアドバイスをしてもらうのがいいでしよう。表面がフラットな物よりも少しだけ凸凹があるものの方がきれいに仕上がる傾向にあります。
□サンプルの注意事項
見本帳のサンプルは寸法が小さく柄の幅や色の見え方がわかりにくいため、必ず大きなサンプルで確認します。(A4サイズぐらい)
サンプルは机上面ではなく壁に貼り付けて少し離れて見てみます。
又照明器具や太陽光の近くなど何か所か場所を移動して確認することをお勧めします。
□これからの壁紙
・DIYを楽しむ。
最近はDIYで施工できるものも増えてきています。海外製の商品は主に不織布を使用し、幅は52cmと短いため
小さな空間やアクセント壁紙など自分で容易に貼ることができます。
・自分にとって居心地よい空間づくり
好きな柄や色をバランスよくとりいれ居心地のいい空間を作る。
機能性が付加された壁紙や自然素材壁紙を利用することでオリジナルの空間をつくっていく。
これからは自分なりの付加価値をもって選択していく時代になっていくのではないでしょうか?